グアム政府観光局
原晴一日本代表
 グアム政府観光局(GVB)は日本人旅行需要の回復を目指し、5月からサマーキャンペーンを展開する。今年に入って1〜3月も厳しい状況が続いているが、敢えてファミリーをターゲットに、7〜8月のグアム旅行者に10〜12月のグアムへのフリー旅行をプレゼントする。ファミリーのリピーターを増やし、グアムの新しい魅力を知ってもらおうとのこのキャンペーンは、需要回復とともに2003年のGVB活動方針である「Enjoy Guam Way! グアム流のリラクゼーション方法の提案」を具現化するものでもある。原代表はグアムへの日本人旅行者について、「年間100万人レベルまで、出来るだけ早く戻したい。そのために7月以降ドライブかけたい」と述べ、そのためにもサマーキャンペーンへの期待は高い。GVBの原日本代表に、グアムの需要回復への今後の展開と展望を聞いてみた。

 

 原代表は今年に入ってのグアムの日本人旅行動向について、「前年同月比で1月が32.8%減、2月が20.2%減、3月が33.5%減と厳しい状況が続いている」と述べている。
 2001年9月の米国同時多発テロ事件後の2002年1〜3月でも6万〜7万人台だったことを考えると、厳しい数字と言える。
 これは、他のリゾートアイランドと比べても、ダウン幅は大きい。この理由としては、景気低迷、イラク戦争などとともに、グアムの場合は12月の台風の影響を受けたことが大きかった。1〜3月のホテルの客室稼働率は、ピーク期ということもあり、80〜90%はあったが、稼働率に限れば、ホテルによっては、台風の影響で、全ての客室を稼働させていなかったことで、高い稼働率を示したとも言える。
 一方で、エアラインがグアム線の供給量を絞ったことで、座席数から見れば、残念ながら、それなりに見合う数字とも言える。但し、日本系と米系キャリアの間には供給量という点では大きな開きがあることも事実だ。


カマチョ・グアム州知事からのメッセージ
ハファデイ!常夏アイランドグアムからのご挨拶


 親愛なる日本の皆様へ

 ハファデイ!(チャモロ語で「こんにちは」)
美しい海と自然、多面的な歴史と文化に富んだグアムへようこそ。
 私達の島、グアムは年間を通してトロピカルリゾートをお楽しみいただける、日本に一番近いアメリカです。
 日本各地から飛行機でわずか3時間半で目を見張るほど透明な海と、ホスピタリティ溢れる人々に出会うことができます。数々のリゾートホテル、フリーポートならではの大型ショッピングモール、絵葉書のようなサンセット、そして遊びきれないほどの海と陸のレジャーが皆様をお待ちしています。
 リラクゼーションを楽しむ旅、リゾートを満喫するご友人やご家族とのグループ旅行、海の見えるチャペルでのウェディングなど、グアムは日本の皆様のあらゆるニーズに1年を通してお応えします。
 伝説と虹が生まれる島、グアム。
 私達はハファデイの心からのおもてなしのご挨拶と共に皆様をお迎えし、この楽園の島で癒しのひとときを過ごしていただけるよう、心よりお待ちいたします。

米国グアム準州知事
フェリックス・P・カマチョ
SARSの安全性をアピール

 12月末の台風、そしてイラク戦争、さらには重症急性呼吸器症候群(SARS)が、海外旅行不安を増大させているが、GVBでは、ウェブサイトでSARSに関して、グアムでは現在SARSの症例は報告されていないとともに、SARSの流入を阻止するため、最大限の注意を払っており、観光客を含む、外部よりグアムへ入国者に咳やくしゃみ、高熱など、SARSの疑いを持つ人が発見された場合は、ただちに緊急予防措置が敷かれていることを掲載している。
 具体的には、疑いを持つ人が発見された場合、グアム入国前にグアム公衆衛生機関の医療チェックが実施され、その場で症例の恐れがないことが確認され次第、グアムへの入国手続きへと進む体制が徹底されている。
 フェリックス・P・カマチョ知事は、グアム公衆衛生機関及びグアム国際空港の協力に感謝するとともに、「予防措置対策は観光客の皆様、航空会社のクルーならびに島民の安全性を確保するために綿密に実施されている。また、引き続き対策を怠ることなく実施することで、今後の流入を阻止する努力を行なっていく」と強調している。
 原代表もSARSについて、「目に見えないために怖いという一般旅客が多い。我々もその対策を、グアムで実施し、既に関係者を集めて、現地でSARSのフォーラムを開催した」と述べ、「重要なことは、到着客のスクーリーニングをどのようにしているかということを告知するとともに、幸いグアムでは現在SARSが発生していないことを訴えていきたい」と指摘する。
 香港や中国広東省など旅行延期勧告が発出されている地域は気の毒な面もあるが、海外旅行需要を考えると、振り替え地としてグアムをアピールすることは必要だ。旅行会社としても、他のデスティネーションに振り替えてもらうことで、取扱高の減少に歯止めを掛けなくてはならない。
 これまでのグアムの厳しい状況を考えると、旅行会社や一般消費者に対して、グアムの安全性をアピールすることも必要であると考える。


夏の回復へ5月からキャンペーン

 今後のプロモーション活動について、原代表は「座して回復を待っていて良いのかという議論がかなりあって、ここ1カ月半くらい議論を重ねてきた」と述べ、「結果的に、夏のキャンペーンをファミリー向けに実施する」と明らかにした。
 現時点では、7〜9月の繁忙期までに旅行需要が回復するという見通しは立たない。その一方で、海外旅行関係者の誰しもが夏の需要回復を期待している。
 このため、GVBでは、今から夏に向けて準備をしておこうと検討している。原代表は「エージェントの夏のブローシャーには、間に合わなかったが、最終的に決まれば、バックアップとして、エージェントへの直接のプロモーション、フィールドワーカーを実施する」と述べた。
 これは、GVBが自らポスターやポップを持って旅行会社を訪問し、プロモーションを進めていくというもの。
 これにより、最終的には、ファミリー向けの抽選会を現地で実施する。原代表は「“7th グアム・ビッグ・サマー・フェスティバル”と銘打ち、7、8、9月にグアムに行くと、1等:グアム往復航空券(160名様)、2等:3泊ホテル宿泊券、3等:特製ピカルーTシャツ(お子様、OLの方・12万名様)が抽選で当たる、というもの。これは、7〜9月にグアムを旅行するファミリーを対象として展開し、10〜12月の間にもう一度、グアムに旅行していただく」という。
 その意味では、抽選で当たった旅行者はグアムをリピートすることになる。この他、2等、3等も用意して特典を付加する。また、それに付随して、キッズプレゼントを子供に贈呈する。さらに、グアムのTシャツを制作して、OLなどにプレゼントする。これを着てもらうことで広告効果にもつながると期待している。
 さらに、ディスカウントクーポン、エアラインとのタイアップでキッズミールの提供などを検討している。
 これらのキャンペーンの告知については、5月の後半から実施する計画で、とくにテレビのコマーシャルを5〜7月に放映するとともに、新聞媒体や雑誌等を含めて、その露出を高めていきたいとしている。
 このキャンペーンのために、5月14、15、16日にそれぞれ東京、名古屋、大阪で、キャンペーンのPRイベントを開催する。これにはカマチョ知事をはじめとする現地観光ミッションが来日、キャンペーンの告知と旅行会社に送客を要望する予定だ。そして、現段階では5月17日からサマーキャンペーンを展開することを計画している。
 原代表は「一般消費者も、ストレスが溜まっており、やはり海外に行きたい人はたくさんいる」と指摘、イラク戦争は終息後もテロの不安はあり、SARSの問題も発生してはいるが、そのリバウンドは必ずある。
 日本人の旅行意欲は旺盛であり、景気の問題は残されているが、原代表は「人間にストレスがある以上、旅行業界は間違いなく伸びる」と需要回復に期待を掛けている。
 原代表はグアムへの日本人旅行者について、「年間100万人レベルまで、出来るだけ早く戻したい。そのために7月以降ドライブかけたい」とサマーキャンペーンについての抱負を述べた。
 また、サマーキャンペーンに連動して、GVBはとくに7〜9月に掛けて、イベントをクリエイトしていく。具体的には原代表は「“スポーツアイランド”としてスポーツをテーマとしたイベントと、それにプラスしてローカルのイベント、参加型のイベントを作っていきたい」と述べ、、サマーシーズンを旅行者に楽しんでもらえるようなイベントを実施する計画を明らかにした。


名古屋市場見据えJGTC中部設立

 原代表はGVBの日本事務所の活動について、「少ない人数の中ではあるが、できる限り外に出ていける体制を作っていきたい。東京、大阪で、マーケティングを含めて、数字につながるような活動を実施する」とさらにアクティブになることを強調した。
 「どういうようなことを実施すれば、グアムに行くのかという観点から、なるべくスタッフが外に出て活動できる体制にしたい。とくにエージェントのカウンター・スタッフとコミュニケーションをできるだけ取れるような体制に持っていきたい」と述べた。
 例えば、グアムを取り扱う旅行会社で、日本グアム観光促進委員会(JGTC)を結成しており、現在、東京と大阪にこの組織があるが、最近、JGTC中部を名古屋に立ち上げたという。
 これは旅行会社が7社、エアラインが2社加盟している。これまで、東京と大阪の間にあって、名古屋とGVBのコミュニケーションが一つの課題というイメージがあり、JGTC中部の設立を契機に、「グアムに目を向けてもらいたい」としている。
 原代表は「昔から名古屋は底堅く、ある意味安定したマーケットなので、今後はグアムのメッセージを発信していきたい」と述べている。
 JGTCによる連絡体は、これでとりあえず東京、名古屋、大阪を固めたことになる。原代表は「今後は少しづつ、さらに地方に広げていきたい」とし、コンチネンタル航空が就航している8都市に段階的に設けていきたい」と述べている。


日米観光交流拡大に期待

 こうしたGVBの活動とともに、米国政府が5000万ドルの対外観光プロモーション予算を決定、日本向けの旅行需要促進が期待されている。4月24、25日の両日、箱根で日米観光交流拡大促進協議会ワーキンググループの第2回会合が開催され、米商務省のダグラス・ベーカー商務省次官補代理が来日する。
 GVB本局からも、アルベルト・ラモレナ局長が出席する(現時点では予定)。
 ベーカー氏によれば、観光プロモーション予算の大部分を対外観光促進キャンペーン「インターナショナル・アンブレラ・キャンペーン」(仮称)に充てることで現在検討を進めており、メディアへの広告・プロモーションなどを行う考えという。
 ベーカー氏は箱根の後、グアム・サイパンに立ち寄る予定で、グアムとしても日本人旅行需要促進への期待は大きい。


顧客の変化に対応するグアム

 原代表は当面の展開について、「上期の後半に関しては、ファミリー、ウェディングを中心に実施していきたい」と述べた。また、シニアについては現状では全般的に動きが少ないが、「ロングステイは動いており、ゆっくり実施していきたい」としている。
 さらに、45歳以上の女性「キッズフリー・ミセス」、また、若い層はパラサイトシングルがそれぞれキーになるとしている。
 最終的には、2003年に提唱した「グアム流リラクゼーションの創造」を実現することが目標で、原代表はそのために「グアムも変わっていかなければならない」と気持ちを引き締める。
 旅行者の形態も変化している。原代表は「グアム・サイパンに行く旅行者は、どうやってグアム・サイパンを選んだのか。今はもう店舗に行って、ブローシャーを見て、グアムに行こうという人は全体の2割程度になっている。店舗の玄関に入るまでには、既に目的地を決めている。決定要因は広告展開、雑誌、テレビ、口コミなどの情報であり、そういう状況を踏まえてプロモーション活動を実施していなくてはならない」と今後の展望を述べた。