日本修学旅行協会によると、中学・高等学校による2002年度の海外修学旅行は、実施件数が前年比89.9%増(536件増)の1132件、参加人数が同99.4%増(8万7916人増)の17万6377人となった。
このうち、グアムを含むミクロネシアへは、件数が17件、人数が2352人となった。前年度比では、件数が325.0%増、人数が619.3%増と、2001年度の反動から大幅な増加となっている。また、前々年度比でも、件数が54.5%増、人数が63.3%増となるため、マーケットは着実に拡大しているといえる。
 公立校・私立校別では、公立高校が11件・1588人。私立高校が5件・664人、さらに私立中学校が1件・100人実施している。前々年度と比較すると、私立校はほぼ横ばいであるのに対し、公立校は6校から増加している。これについては、日数が限られる公立の条件に、地理的に近いというグアムの利点が合致したためと推察される。
 なお、2002年度の海外修学旅行実施校の旅行日数については、中学校が平均7.8日(00年度比0.3日減)、高等学校が平均5.9日(同0.8日減)、全体平均では6.1日(同0.7日減)と短縮する傾向にある。内訳は、中学校の国公立が平均4.3日、私立が9.5日、高等学校の国公立が平均5.0日、私立が6.9日となっている。
 このため、日本から僅か3時間半の距離で、しかも全国8都市からフライトが利用でき、3b4泊の短い日程でも十分な活動時間を確保できるグアムは、需要にあったデスティネーションといえ、今後さらに伸びる可能性は大きい。
 また、旅行費用総額(1人当たり平均額)は、中学校が20万9927円、高等学校が15万883円、全体平均では15万4398円となり、前年度(2001年度)に比べ10.4%低価格化した。グアム政府観光局によると、2000年度にグアムで修学旅行を実施した学校の平均旅費は10万3000円で、最低額は7万5000円であった。このことから、グアムが保護者の負担を軽くすることのできるデスティネーションであることを強調すると、より効果があるかもしれない。
 そのほか、グアムが修学旅行を実施する際に優れているポイントとして、「安全」「気候」「英語圏」「自然」「チャモロ人のホスピタリティーマインド」などが挙げられる。安全性としては、治安の良いことに加えて、アメリカの準州ならではの衛生面および医療面での充実もポイントだ。
 気候については、グアムは典型的な海洋性亜熱帯気候で、年間を通じて温度変化が少なく、平均気温は27℃と、1年を通じて修学旅行の実施が可能だ。学校側としては、試験や学校行事との兼ね合いから実施期間を設定しなければならないが、グアムであれば学校側が自らの都合に合わせて設定することができる。
 多くの学校では、国際理解や国際交流を学習の重要なテーマとしているが、グアムが一番近いアメリカで、世界の標準語的役割を持つ英語が使われている「英語圏」であることは、大きなセールスポイントとなる。また、フレンドリーな「チャモロ人のホスピタリティーマインド」は、異文化交流を行いやすいといえる。



 グアムでの修学旅行を始めとする教育旅行について、日本旅行グアム支店の山下周彦オペレーション課長は、「教育旅行先として、グアムは知名度があまりにも低すぎることが大きな問題」と語る。教育を司る公官庁や各自治体、各学校にとっては、グアム=レジャーアイランドとしか見ていない現状が、大きな障害となっている。このため山下氏は、「グアムには、レジャーアイランド以上に教育的な要素がいっぱいであることをアピールし、業界全体でこの状況を変えなければいけない」としている。
 山下氏は、「そのためには、グアム島の3500年の歴史などをテーマとした教育的なソフトを充実させるべきだ」と語る。さらに「現在に至るまで、ビーチリゾート、健康、スポーツ、ショッピングといったイメージの露出は続けてきた。しかし、現在の状況では、それを変えなければいけないところにきている。そのために、グアム本来の魅力を見直し、教育的な要素を前面に出していくことは有益と考える」と語っている。
 また、「現地の高校生や大学生は、多くの日本企業がグアムに投資しており、将来彼らは何らかの形で日本と関わる機会が多いため、日本の文化に興味を持っており、交流を希望している」という。このため、若者同士の交流の場を作っていくことも重要となってくるだろう。


美しい海は陸の環境保全で成立
植生を教育プログラムに反映

 これまで、多くの観光客、ダイバーを魅了してきた美しいグアムの海。しかし、「グアムの海の美しさは、ジャングルや森といった陸の自然があってこそ成り立っている」と、ダイビングショップ「パパラギ」グアム支店長の中根豪氏は説明する。中根氏は、グアムの植生を研究しており、「グアムの植生を是非とも教育プログラムに反映させたい」としている。
 植生を教育プログラム化する際には、グアムのいたるところに広がっている「ジャングル」は重要な題材となる。そこでは、植物学として「通常ジャングルと呼ばれる林が、大型の葉を持った常緑広葉樹の林からなっている」こと、気象学として「常緑広葉樹林が発達するのは、熱帯性海洋気候で、気温の変動が少なく、乾季と雨季に分かれ、年間平均気温は約28℃、年間平均雨量は2000mm前後、平均湿度は約72%という気象条件による」こと、地理学として「大陸から離れているという地理的条件」などを学ぶことができる。
 また、中根氏が、最も強調するのは、「海岸沿いの植物はそれぞれに役割があり、それによって海岸の地形や地質が保たれている」ことで、それぞれの役割を理解してもらい、環境保護への関心を高めてもらいたいとする。中根氏は、グアムの植生に関する教育プログラムが具現化した際には、「グアムにもともと生息している植物は、島を形成し、さらに保持していく上で非常に重要な役割をそれぞれが担っているので、採集などをしないことの重要性。および、ジャングルや森は海の環境に与える影響も大きいので、海の環境を守る為には、まず陸の環境を壊さないことの重要性。そして、グアムのような環境をいつまでも残す為に、環境に良いと思う事を少しでも一つでもやることを心がける事が大切であることを学ぶ機会としたい」としている。さらに、環境問題に関連して、「現在グアムには、約900種類の植物があるが、その半分ほどが人間が持ち込んだものである」ことを自然における人間のあり方を考えるためのサンプルとすることも、教育プログラムとしては有益だ。中根氏は、グアムの植生を教育プログラムに反映させることを目標とし、実現を図っている。
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 これまで、世界各地でテーマパーティーなど、数々のインセンティブイベントを手がけてきたイベントサービス社の森本福夫代表によると、インセンティブグループ市場は、「今の情勢が影響して、日本に限らず世界的に停滞気味。しかし、その中でも、訪問販売、保険会社、製薬会社、自動車ディーラー、携帯電話などIT通信機器関係といった企業は、どの国でも元気なバイヤーだ」という。それは、グアムへのインセンティブ・グループの状況についても、同様なことがいえるだろう。加えて、各企業とも徹底したコスト見直しを行っている現況下で、グアムは、日本から僅か3時間半の距離にあるため、他のデスティネーションと比べて費用を節約でき、かつ時間を有効に使えるため、現時点で最も需要にマッチしたデスティネーションといえる。このため、マーケットのリサーチと、グアムで行うことの利点のアピールが合致すれば、グアムのインセンティブ・マーケットが伸びる可能性は非常に高いのだ。
 前出の森本氏によると、「インセンティブのバイヤーにはレベルがある。一つは、旅行すること自体がインセンティブというバイヤー。もう一つが、毎年実施して連続性があるバイヤーだ」という。グアムの場合は、現時点では、まだ「旅行に行くことそのものがインセンティブである」層が多いと推察されるが、毎年連続してやってくる大規模インセンティブも存在しており、成長する可能性はある。
 グアムはこれまで、インセンティブグループ市場に対して、ファシリティやケータリングなどの受け入れ体制、旅行会社などのオペレーションについては紹介してきた実績がある。これは、旅行に行くことそのものがインセンティブであるバイヤーには効果があると思う。しかし、連続性があるバイヤーに対しては、プラス演出とソフトの拡充および紹介が必要になってくる。それについて森本氏は、「連続性があるバイヤーに、毎年同じ内容のツアーを提供しても、飽きられるだけ。“去年は○○だった、今年は××。来年はこうしよう”と、常に違ったガラディナーの演出なり、ツアープログラムなりを求めるので、彼らのインセンティブツアーは成熟している。これに対応するには演出・ソフトを充実させる必要がある」と説明する。
 インセンティブツアーの演出・ソフトとしては、「チームビルディング・アクティビティ」や、ガラディナー等での「テーマパーティー」などのイベントが挙げられる。森本氏は、この中でも「グアムの特色を考えると、チームビルディングができることを強調すべきではないか」と提案している。チームビルディング・アクティビティは「上下関係を希薄にして、相互に素直に交流できる非日常の環境を作り出し、この環境を上手く利用して、社内の風通しを良くしたり、支店・事業部・課などの交流を含め“チーム”意識を高め、成績向上を図るために行うもの(森本氏)」。「ビジネスミーティング(モチベーションセミナーなど)」「アウトドアアクティビティ(チーム対抗ゲームなど)」に大別されるが、人気があるのはアウトドアアクティビティだ。なお、同様な効果を狙ったものとして、日本では「社内運動会」が行われる。アウトドアアクティビティで行われているメニューも、ビーチでの綱引き大会など近く、“肩苦しくない運動会”といってよい。さらに、海外インセンティブツアーの場合、デスティネーション自体が非日常の環境となるため、非日常の空間にいる一種の連帯感・開放感から、チームビルディング効果をより引き出すことができる。
 具体的なイベント内容としては、ビーチリゾートでよく行われるのが「ビーチオリンピック」。ビーチバレーなどのボールゲームや、筏を作って、さらに浮かべて競争する「筏づくり競争」、砂浜での「砂の城競争」など、ビーチの特色を生かした数々のゲームを行い、チームで勝敗を競う。これについては、間違いなくグアムに適したイベントといえる。
 また、アウトドアアクティビティには、このような「ゲーム性のある分野」のほかに、「頭を使っての分野」もある。森本氏が実施したイベントとしては、「ショッピングモールなどを舞台として、いくつか問題を出して、その回答となるものをチームでショッピングモールのなかから探しだし、購入してくる“ショッピングゲーム”」「集合ポイントだけを指定しておいて、自分たちだけで交通機関等を利用してそこへ向かう、一種の冒険ゲーム」「オリエンテーリング」などがある。ショッピングゲームについては、ショッピングモールで行うと面白い。また、DFSを中心にプレジャーアイランド全体で行うのも魅力的だ。また、知力とチームワークに、語学力も必要となるため、教育的要素も取り入れられる。教育的要素では、冒険ゲームやオリエンテーリングで、チェックポイントを遺跡などにすると面白い。これにより「遊びながら勉強する」ことができる。


「スーパー・ファム・ツアー2003」
インセンティブの利点、最大限提示

 1月31日から2月2日の期間に開催され、グアムのリカバリーを旅行業界に認知させた「スーパー・ファム・ツアー2003」。全国8都市より一度に200名がグアムに集い行われた同イベントは、見方を変えると、団体・インセンティブ、特に大型インセンティブの全国大会において、グアムが非常に優れた能力を有していることを証明しているといえる。
 また、団体・インセンティブの見地から、200人規模の旅行が、“2泊3日”という日程で開催されたことは注目だ。現在の景況下で、団体旅行のオーガナイザー、特に企業は、徹底したコストの見直しを行っている。このため、現時点では企業が4日以上の団体旅行を実施するのは、よほど業績の良い企業でない限り不可能に近く、ましてや国内でさえも3泊4日から2泊3日に減らされているのが現状。今回のファムツアーは、その状況下で、“グアムでも2泊3日の団体旅行、しかも大型の催行が可能”ということを示す結果となった。
 施設としては、スーパーファムツアーでは「サンドキャッスル」にて報告会が開催されたが、このことは、夜のディナーショーやカクテルショーが注目されがちな同施設が、午前中にも、例えば、インセンティブツアーの表彰式等で利用可能なことを示した。パーティー開催については、多くのホテルが充実した受入体制を持つ。また、ケータリング能力も問題がない。
 また、スーパーファムツアーでレセプションを開催した「レオパレスリゾート・グアム」の持つポテンシャルも大きい。今回はプールサイドでのパーティー開催となったが、今後施設が整えば様々な可能性が出てくる。パーティーイベント以外でも、インセンティブツアーでよく行われる「チーム・ビルディング・ゲーム」が、野球場や総合グランドなどのスポーツ施設を利用して行うえるようになったのは新たな魅力だ。
 なお、今回のファムツアーは、旅行業界の関係者のみを対象に行われたが、次回同様なイベントが催行される場合には、インセンティブのオーガナイザーを実際に招待してみてはどうだろうか。彼らに実際にグアムの利点を体験してもらうことで、これまでと違った反応を得られると考える。