実施校も年々増加し、修学旅行・研修旅行のデスティネーションとしても認知されつつあるグアム。2003年に入ってからも既に数校が実施しており、京都府立洛水高等学校もそのうちの一校だ。2003年3月17日から3月20日まで、2年生の英語コースの生徒がグアムを訪れ、「ミニ文化祭」などユニークなプログラムを実施している。そこで、同校の坪内徹先生にお話を伺い、洛水高校のグアム研修旅行を紹介したい。
bb洛水高校英語コースの海外研修旅行の目的は
そもそもの大きな目的は、「異文化を理解しよう」ということです。また、英語コースであるので、英語圏の文化を実際に目で見て、味わってほしいとの希望もありました。英語を使って、地元住民とコミュニケーションを取ることで、「生きた英語学習」にもなりますし、より良く、深く文化を理解できるからです。
bb英語圏の中で、グアムを旅行先に選択した理由は
京都府の公立高校の修学旅行には、費用、日程などに制限があります。その中で実施するとなると、英語圏でも、イギリスやアメリカ、オーストラリアでは少々難しくなります。その点、グアムであれば、日本からの距離も近く、アクセスも良いため、短い日数の中で効率よく旅程を組むことができ、また費用も抑えることができます。そこが選択理由の一つです。さらに、グアムがアメリカ合衆国の準州で、「日本から一番近いアメリカ」ということも選んだ理由です。
bb研修旅行の内容について教えて下さい
今回の研修では、グアム現地の方々との交流を目的とした「ミニ文化祭」を主な取り組みとしました。マイクロネシア・モールを会場として行い、地元の人々が多く来訪してくれて、老若男女、幅広い層の人々との交流ができました。異文化の中で、日本文化を紹介することで、生徒が自分の存在価値を再認識することができ、日本を見直すきっかけとなったと思います。
また、在グアムの日本総領事館が、グアム現地のハイスクールに告知してくれたため、当日は予想以上に多くの高校生が来てくれました。グアムには日系企業が多く、就職をすると日本語を使用する機会が多いため、現地の高校生は日本語を勉強 しており、彼らも日本人と交流する機会を求めています。そのため、今回の「ミニ文化祭」は、双方にとって良い機会となりました。ミニ文化祭では、「ペンパル募集コーナー」を作り、日本の遊びをグアムの人達に紹介して交流を深め、「もしよければペンパルになりませんか」と呼びかけました。これにより、生徒が帰国して後、グアムから手紙が届くなど、グアムの高校生との交流関係が生まれました。
bbその他、研修では何か
コンドミニアムでの自炊、タモン地区での自由行動、第二次世界大戦の戦跡見学などを行いました。異文化の地での体験を通じて、「マナーの大切さ」など、自分と違うものを思いやることの大切さを知らせることができたと思います。
また、第二次世界大戦の戦跡見学では、丁度、研修旅行の実施時期が、3月17日b3月20日でイラク戦争開始の日が帰国日と重なったが、逆に世界情勢を身近に体験する機会となり、物事を地球規模で考える姿勢を学び、また生徒達が平和について考える機会をもつことができました。
bb研修旅行をグアムで行うと決定した際、周りの反応はいかがでしたか
異文化の体験、特に英語圏文化の体験を生徒にさせるのに、グアムは適していますが、実際に行うとなると、一般的に、グアム=リゾート地としてのイメージが強いため、「遊ぶだけの観光地」と思われてしまい、周りから否定的に見られることもあるかもしれません。当校でも、はじめは「研修旅行は、遊びに行くのではない」との意見が、学校内から出ました。しかし、 「ミニ文化祭」を開催して、現地で地元住民と交流する機会を持つこと、第二次世界大戦の戦跡見学を行うことで、平和について考える機会を持つことなど、具体的なプランを説明したので、理解してもらうことができました。グアムで研修旅行を実施するには、グアムでの体験プログラムをしっかり提示することが、必要かもしれません。
bb今回の研修旅行で、生徒からの感想は
やはり、ミニ文化祭が心に残ったようです。「グアムの人々が、明るく気軽に声を掛けてくれることが新鮮だった」との声が寄せられ、そこから「日本人も他人ともっとコミュニケーションをとるべき」と考え、自分自身を見直し、課題を見つけることにつながりました。
この研修旅行を通して、生徒達はさまざまなことに気付き、考えてくれたと思います。また、自分たちが主体的に活動することを経験したことで、今後の高校生活においても主体的に活動してくれると確信しています。

熱帯の美しい自然を誇るグアムは、自然体験プログラムには事欠かない。また、アメリカ合衆国の準州として「英語圏」である顔も持ち、ネイティブスピーカーとの英会話など、生きた英語学習もできる。このため、教育旅行、修学旅行の旅行先として、グアムへの注目は年々高まっている。2002年度のグアムを含むミクロネシアへの修学旅行(日本修学旅行協会調べ)で、件数が前年度比325%増、人数が619.3%増と大幅な増加をしめしていることは、マーケットは着実に拡大していることを示している。その要因については、「アクセスの良さ」「費用面」「気候の良さ」「安全性」などが、評価されているためと分析する。
日本修学旅行協会によると、「海外修学旅行の旅行日数は、公立校に関しては日数に制限があり、私立についても日数を短縮する傾向にある」とされ、短い日程でいかに効率よく、かつ内容の充実した旅行を行うかが求められているのが教育旅行・修学旅行の現状といえる。これに対して、日本から直行便で約3時間半で行くことができ、往復に要する時間が短いため、3b4泊の短い日程でも十分な活動時間を確保できるグアムは、需要にあったデスティネーションといえる。また、全国8都市からフライトが利用できるため地方からの利便性が良いこと、日本とグアムの時差がわずか1時間で、生徒に与える身体的負担も小さく、到着日から活動できることなど、短い日程でも無理のない日程を組めることもポイントとなる。ちなみに、日本修学旅行協会によると、中学・高等学校による2002年度の海外修学旅行の旅行日数は、中学校が平均7.8日(00年度比0.3日減)、高等学校が平均5.9日(同0.8日減)、全体平均では6.1日(同0.7日減)となっており、グアムは十分需要に応えられるデスティネーションといえる。
また、短い日程でも充実した旅行を行えることで、費用面を比較的安く抑えることができる。景気が低迷するなかで、保護者の費用負担を軽減することも求められているのが、教育旅行・修学旅行マーケットの現状。そのため、費用面は重要なポイントとなる。グアム政府観光局によると、2000年度にグアムで修学旅行を実施した学校の平均旅費は10万3000円で、最低額は7万5000円。日本修学旅行協会によると、2002年度の旅行費用総額(1人当たり平均額)は、中学校が20万9927円、高等学校が15万883円、全体平均では15万4398円となり、前年度に比べ10.4%低価格化している。グアムに修学旅行を誘致する際には、グアムが保護者の負担を軽くすることのできるデスティネーションであることを強調するべきだ。
修学旅行の実施時期を決める際、「気候の良さ」は、グアムの利点。海外修学旅行の実施時期は、10月b11月に集中しているものの、入学試験や学校行事との兼ね合いで決められている。一方、グアムの気候は海洋性亜熱帯気候で、平均気温は27℃、年間を通じて温度変化が少なく、1年中が旅行のベストシーズンといえる。このため、学校側の都合の良い時期に、旅行を行うことができる。
子供を送り出す親として、また預かる側の学校としては、旅行先が安全であることは、大切なポイントだ。グアムが、アメリカの準州として、政体が安定していること、法制度が確立していること、またホテルロードには交番が設置され、宿泊施設もセキュリティ体制を整えていることは、重要なポイントだ。また、衛生面の良さおよび医療面の充実も強調したい。
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