日本のウェディング全体における海外ウエディングのシェアーは年々高まり、2000年には45000組が海外で挙式を行った。中でも近年のグアムウエディングは順調な流れにあったが、01年の米国同時多発テロ、02年末の大型台風、03年のイラク戦争、SARS騒ぎと立て続けに旅行業界を直撃した激震の影響を受け、しばし苦戦を余儀なくさせた。しかしながら、グアムは良質な素材を内蔵していることも手伝い早い回復力を見せ、結果的03年の実績を9500組みまで伸ばした。

 ワタベ・ウェディングでは昨年10月から従来並みに、今年4月からは前年度に比べ予約数が増えているという。今年は渡航不安の材料となる要因が発生していないこと、景気が回復の兆を見せていることも理由として大きいが、海外挙式、グアム挙式が一般消費者に抵抗なく受け入れられている証拠でもあるだろう。
 そうした状況に呼応するかのように、今年から来年にかけて、新チャペルが2つオープンする。ひとつはホテル・ニッコー・グアム内のクリスタル・チャペル。海を見下ろす敷地内の岬に建つ白いチャペルで、収容人数70名、12月1日にグランドオープンを控えている。もう1つは、クチュール・ナオコ・グアムが主催するセント・マリア・アレーナ・チャペル。収容人数64名で2005年4月にアガニャ湾に面したプライベートスペースにオープンの予定だ。
 この2チャペルの新設で受け入れキャパシティはさらに拡大。ウェディング施設というハード面に関してグアムは非常に充実してきている。

同伴者付に最有利なグアムの地の利

 グアム挙式の最近の特徴として、同伴者付挙式の増加が挙げられる。グアムでウエディングを行うカップルの内、90%近くが同伴者を伴っており、その平均同行者数は02年が15名、03年が16名と多い。また最近では、ウェディングカップルとそれぞれの親族、友人などで。最近では40〜50名を越えるケースも増えてきた。このように、他のデスティネーションに比べ、同伴者数が多めなのが特色だ。
 GVBはかなり早い時期から同伴者付ウェディングを提唱してグアムに誘致すべく積極的にPRしてきた。このPR活動の効果もあり、グアム=同伴者ウェディングのイメージがある程度定着してきたと考えていいだろう。
 加えてここ数年は、海外挙式でも親や親しい友人に祝ってもらいたいという傾向が見られる。とくに花嫁は、自分のウェディングドレス姿をより多くの人に見てもらいたいとの願望があるようだ。そのため、日本から近く経済的負担も手頃で同伴者が参加しやすいデスティネーションにスポットが当たっており、中でも気候がよく、リゾート気分の味わえるグアムの評価が高まっている。
 またグアム挙式は、同伴者にも便利だという利点もある。長い旅程を必要とする他の海外挙式だとスケジュールの調整をしにくいが、グアムなら2,3泊で済むので都合をつけやすい。同伴者付ウェディングはグアムだと売り易いわけだ。

良質のパーティーはウェディングの牽引力

 グアムの場合は、他のデスティネーションよりも同伴者付ウェディングの取り込みが有利な状況にある。とはいえ、今のうちに付加価値を用意して、このマーケットをさらに強化しておきたい。その主力商品として注目されているのが現地でのウェディングパーティーだ。
 これはグアムに限った話ではないが、チャペルで式さえ挙げれば幸せ、という時代は終わり、海外挙式は次のステージに進んでいる。とくに同伴者付が増えてからは挙式後のパーティーにもかなりの比重が置かれるようになっている。
 グアムではすでに各ホテルやアトラクション施設が、レストランでのオリジナルなウェディングディナーや個室を使用したスペシャルプラン、あるいはアトラクションと食事のセットや、サンセットバーベキューをウェディング風にアレンジするなど、個性豊かなディナーを提案しているが、新たな試みも始まりつつある。

各社個性豊かなウエディングプラン

  ウェスティン・リゾート・グアムでは、オーシャンヴィラを使ったレセプション・プランの商品化に向けて準備をしている。オーシャンヴィラ(125F)を挙式カップルの「家」に見立て、ホームパーティーを開いてもらおうというアイデアだ。挙式同伴者の参加に加え、バトラー(執事)を用意することでホームパーティーの雰囲気を醸し出し、ゴージャス感も演出する。さらにサービス体制を強化するため、ウエディングコーディネーターを配置する予定もあり、利用対象を宿泊客に限定せず、ウェスティンを利用する全てのカップルの問い合わせや相談にも対応する。
 アウトリガー・グアム・リゾートでは、4月からワタベウエディングと共同開発で「ティファニー・スタイル・ウエディング・プラン」をスタートした。メインダイニング「パームカフェ」や特別フロア「ボエジャーズクラブ」のラウンジを貸し切って行うパーティーをメインとして、パーティーのセッティングは全て一流品を使用し、テーブル演出にこだわる。またボエジャーズクラブラウンジの立地の良さを活かし、高層階から眺めるタモン湾の絶景がパーティーを演出する。対応できる人数は4名から最大20名までとし、少人数限定で最高級の味とサービスを提供するのも特徴だ。
 グアム・マリオット・リゾート&スパはロビーフロアのレストラン「ザ・ビュー」を利用した時間の制約のないウエディング・パーティーを提案。少人数でも対応できるのが特徴で、営業時間の11:00〜22:00であればランチタイムやディナータイムに関係なくいつでも利用可能だ。ブッフェ料理も最少人数2名から用意できる。またテラスから美しい海の眺めが楽しめるのも「ザ・ビュー」ならではの魅力である。
 パシフィック アイランド クラブ グアムでは、同伴者も十分に満足できるウェディングパーティーを用意。「東龍」の個室を使用したウェディングプランでは、本格的なコース料理にグラス・シャンパン、ウェディングケーキ、デザートがつく。個室でリラックスでき、料理がしっかりしていることから、同伴者にも喜ばれるプランになっている。また「サンセットバー」でのバーベキューパーティーもグアムならではのウェディングディナーとして人気があり、夕陽を見ながらのロマンティックな気分に浸れる。こちらも新郎新婦はもちろんのこと、同伴者にも好評だ。また、ハネムーン・カップルと同伴者が宿泊した場合、同伴者の客室をすべて同階にする、親しいグループにはコネクティングルームを用意する、などのサービスも行っている。
 ホテル・ニッコー・グアムは今年12月からスイートルームを使うウェディングパーティーをスタートさせる。リゾートホテルにおける豪華なパーティを基本コンセプトに、挙式カップルがスイートルームを使用し、ゴージャスな時間を過ごせるプラン。挙式後ウエディングドレスのまま同伴者とパーティが開けるのが特徴だ。
 レオパレスリゾートグアムでは、ダイニングを利用した大規模なウエディングパーティを企画できる。ホテルベルヴェデーレの宴会場を使えば着席で500名収容。ホテルのロビー周りを使えば立食で1000名程度という大人数の宴会も可能だ。インテリアの雰囲気が良くワンランク上のパーティーが可能であり、実際に地元名士の結婚披露宴や各種パーティーの会場としてもよく使われているという。
 各ホテルとも、その特徴や強みを活かした展開をしている。
 また、世界最大級のスパ・オペレーター、マンダラスパでは、ハリウッドスターやモデルも愛用するスパ・ブランド「エレミス」製品を使ったトリートメントを推奨。天然素材とハンドマッサージにこだわったトリートメントが充実し、女性はもちろん、男性にもお勧めしたいメニューを揃えている。また、各スパに調うツインルームでは、挙式前後の体調管理にとカップルでの利用を勧めており、利用価値は高い。
 グアムの大手海外ウエディング会社ワタベ・ウェディングでもウェディングパーティーの重要性に着目し、来年には自社パーティールームの開設を予定している。顧客から国内の披露宴並みとは言わないまでもパーティーの進行に工夫が欲しい、あるいは会食時のスタッフにもっときめ細かなサーブを望む、といった要望が出ていることから、同社では「挙式への満足度は高いが、その後のパーティーにおける人的サービスや演出面ではまだ改善できる点がある」と考えており、日本での販売時点から積極的に顧客のリクエストに応じていくとのこと。会食の折りにも日本語のできるスタッフを揃えて丁寧な配膳を心がけるなど、独自のサービスを提供していくという。また、挙式とパーティーをセットにしてこれまで以上に充実したウェディングパックを提供していきたいと話す。
 パーティーへの比重が高まっているということは、それだけ需要が見込めるということでもあり、クオリティの高い個性的なパーティー商品を開発し推進していけば、今後、強力なセールスポイントになることはまちがいない。

アニバーサリー婚でシニア層を引き寄せる

 グアム挙式を希望する年代は、全体としては20代の若い層がやや多いという。経済的な理由、おめでた婚で近場にしたい、あるいは最近では若い年代のほうがまとまった休暇を取りにくいといった職場事情にもよるようだ。
 一方、結婚記念を祝う熟年や年配者によるアニバーサリー婚旅行も、少しずつではあるが需要を伸ばしている。
 グアムは、70年代の海外旅行自由化の際に海外挙式の地として賑わった場所で、1973年だけで900組がグアムで挙式したという経緯をもつ。GVBではいち早く結婚記念旅行、アニバーサリー婚を提案、プロモーションも数年前から長いレンジにわたって手がけてきたが、来年度はこの70年代挙式組のグアム再訪、あるいはグアムに来島したことはないが金銀婚式などの結婚記念を控えたシニア層をターゲットに、改めてアニバーサリー婚を強くアピールしていくという。
 シニアの中には海外旅行未経験者も多く、どこかに行ってみたいものの、きっかけが見つからないために出かけないでいるケースが意外に少なくない。アニバーサリーという名目は彼らの背中を押すいい口実になり得る。しかもこの年代は経済的に安定していて、多少割高になっても自分たちの納得できる商品を選ぶ傾向にあるので、購買層としても理想的だ。
 また、アニバーサリー婚では娘や息子たちが集って祝うパターンも出てきており、その場合にはウェディングと同様に、同伴者の参加が見込める。このような点から、シニア層を取り込みながら、かつ幅広い年齢層を取り込むことも可能だ。

ウェディング・フェアで
グアム挙式の良さを知ってもらう

 ところで、グアム挙式を消費者にもっと知ってもらおうと、GVBでは今年7月にJTB有楽町支店で同店と共同で「グアムウェディングフェア」を、また、JR東京駅構内のイベントスペースを使ってJRびゅうワールドと共同で「グアムツアー&ウェディングフェア」を実施した。挙式の進行説明、モデルを立てての模擬挙式、現地でレンタルできるウェディングドレスを紹介するブライダルショー、ウェディングセミナーなどを盛りこんだイベントで、当日参加したのはウェディングを控えた、もしくは海外挙式に興味をもっているカップルなど。JTB有楽町支店のイベントでは2日で80名が参加し、11組がグアム挙式を申し込むという好反応を得た。
 この好結果を知って他の旅行会社からもフェア開催の依頼があったという。GVBではこれまでにもウェディングフェアへは積極的に協力してきたが、今までは8月をメドに年1回の開催だった。しかし最近は年に2、3回実施する旅行会社が増えていると話す。
 理由の一つは、間際予約。ウェディングにおいても以前のように一年前の予約は減り、半年前、3ヶ月前の予約が普通になりつつある。そこでプロモーションもそのサイクルに合わせて実施するようなった。
 だが、それだけでなく、グアム挙式が商品として売れるという認識がエージェントに広まってきたことも関係しているだろう。ウェディングフェアを開催するだけの価値があると感じているのである。
 少子化などの影響で、海外ウェディングはあまり期待できないと悲観的な捉え方をする向きもあるが、同伴者付ウェディングやアニバーサリー婚がもたらすシニア、未婚層など広範な客層の取り込みを考慮すれば、むしろプラスアルファの多いマーケットといえる。GVBでは2005年には10,000組を超すことを目標にしているとのこと。今後同伴者数が増えれば、団体マーケットの一つとしても期待できるだろう。