![]() 日本人の旅行マーケットは多様化している。若者の旅行離れ、30代女性の旅行牽引、団塊の世代のリタイアに伴うシニア層の拡大など、旅行市場は大きな変革期を迎えている。それとともに、インターネットの普及により流通が大きく変化してきた。パッケージツアーから個人旅行(FIT)への流れは、今や旅行の主流となり、サプライヤーの直販化とともに、これにどのように対応するかが旅行業界の最大の課題となっている。こうした旅行マーケットの多様化は、当然、デスティネーションにも大きな影響を及ぼす。旅行商品の低価格化の中で、グアムは最も近いビーチリゾートとして、ファミリー、OLを中心に日本人旅行者を伸ばし、00年には105万人近い日本人訪問者数を記録した。100万人の大台は記録したものの、グアムには「安・近・短」のイメージが付きまとい、そこからの脱却がグアムの大きな課題となった。 01年の9-11、02年の台風、03年のテロ、SARSと様々な外的要因の中で、GVBは美しい海と豊かな自然、そして歴史、文化、料理、スポーツなどグアム独自の魅力を打ち出した。顧客層の多様化と相俟って、グアムのイメージは変わりつつある。団体旅行、ウェディングが戻ってきているのは、景気の回復だけではなく、グアム自体の魅力が見直されていることも一因にあると思われる。 日本人訪問者数が100万人のデスティネーションは、そんなに多くあるわけではない。グアムもそのうちの一つだが、メジャーデスティネーションであり、なおかつ全訪問者数の9割が日本人というデスティネーションであることを考えれば、グアムは日本人の旅行志向に最も敏感にならざるを得ない。
前述のシニアマーケットに対しては、グアムはもとよりどのデスティネーションも注目している。もっと広く言えば、拡大するシニア層をどう取り込むかは全ての業界の課題であり、ここを制すれば業界をリードできると語る経営者もいるほどだ。 しかし、団塊の世代はどのような旅行を求めるかをしっかりとリサーチできている旅行会社は少ない。ただ、団塊の世代は旧来のパッケージツアーと一線を画すことは間違いなく、個人旅行に近いパッケージツアーを求めるだろう。価格的には多少高くても、航空機はビジネスクラスで、ホテルはグレードが高く、自分でチョイスでき、現地では自由な行程を求めてくるのではないか。 グアムでもそうした熟年向けのパッケージツアーの造成をこれからは求められる。美しい海と豊かな自然の中で、静かなスローライフを満喫できるようなビーチリゾートがグアムにあれば、熟年マーケットには対応できるのではないか。 100万人を集客するデスティネーションである限り、様々な顧客層を受け入れなくてはならない。したがって、旅行者は多種多様化するが、それを受け入れるインフラ整備が重要となる。どこのビーチでも人が集中すれば、ホテルや観光施設がそこに集まる。難しいことを敢えて承知で言えば、これを分散化していくことも重要な意味を持つ。多分、これからのシニア層は「隠れ家」のような底の浅い言葉ではなくて、静かな時間を過ごせるような場所を求めるのではなかろうか。 グアムでもそうしたシニア向けのツアーを旅行会社に、現地にはそうした場所の整備を期待したい。
また、本特集にも掲載されているが、知的障害者団体によるグアム旅行が高い評価を得ている。これをもっとアピールするべきと考える。障害者を持つ家族はもとより、学校や養護施設、グループホームなどは、改善されてきてはいるものの、国内旅行さえもまだまだ難しいのが現状だ。 18面のレポートにあるように、障害者・障害児にとって海外旅行の持つ意味は、健常者よりも大きく、その影響は彼らのその後の人生にかけがえのないものになる。障害者の旅行はオルガナイザー、旅行会社、現地受入側の連携が重要となるが、グアムにおけるツアー事例は他のデスティネーションの模範となる。 とくに、現地サイドが違和感なく障害者と接している状況を聞くと、ハード面だけでなく、ソフト面でも、グアムが障害者に対してバリアフリーであることを実感する。最も重要なことは「心のバリアフリー」であり、それができていることをグアムの現地は誇りにして良いと思う。 グアムのブランドイメージが向上していく中で、ビーチ、自然、歴史、文化、料理、スポーツなどとともに、「バリアフリーのグアム」を加えても良いのではないか。 ![]() 2004年のグアムへの日本人訪問者数は90万6000人。GVBが当初設定した目標の85万人をクリアした。GVBは05年日本人訪問者数の目標を105万人に設定した。供給席数を考えると、ハードルは高いが、価格が安定したマーケットになれば、航空会社の増便の可能性もある。グアムへの日本人訪問者数が過去最高だった00年が104万9000人。05年は00年レベルに匹敵する過去最高をめざす。 05年に入り、グアムへの日本人訪問者数は、1月が前年比11.7%増の8万8977人、2月が速報値で4.2%増の8万890人と2カ月連続で8万人台を記録し、滑り出しは好調だ。また、04年の日本人訪問者数を地域別に見ると、関東地区が50%と半分を占めるが、東北地区も戻ってきており、全国主要都市からグアム便が運航されている強みを発揮してきてきている。 とくに、4月7日からコンチネンタル航空(COA)が広島−グアム線を週2便で就航、7月 7日からは週4便に増便する計画で、これを機に、広島を含めて地方からのグアム需要促進が期待される。 GVBは05年のプロモーション活動について、ファミリー、OL、グループ、シニア、ウェディング、教育旅行、スポーツなどマーケットを絞って展開する。OLはスパの充実をポイントにビーチアクティビティなどを強化する。グループは団体が昨年から上向き傾向にあり、社員のモチベーションを上げるための海外旅行として、全国から3時間半で行けるグアムをアピールする。 シニアについては、04年のグアム訪問者数をみると、50〜59歳が14%、60歳以上が10%で、合わせて50歳以上が24%に達していること、また、旅行行程も4泊37%、5泊以上13%で、合わせて4泊以上が5割に達していることから、子育てが終わり、ロングステイ志向のシニア層にグアムをさらにアピールする。 ウェディングはこれまで3年近くプロモーションを強化したことで、教会も8カ所と増え、昨年秋に完成した「風の教会」に続き、今年は「セント・マリア・アレーナ・チャペル」がオープンする。1970年代にグアムで挙式したシニア層が再びグアムに戻っており、昨年秋に完成したグアム・ウェディング・ガイドブックも好評で、今後も成長性が高いマーケットと位置づけられている。 スポーツについては、今年1月から2月にかけて、Jリーグのプロサッカ6チームがグアムで合宿し、大きな話題を呼んだ。海外でスポーツを考える時に、これまではマラソン出場をはじめとする参加型をイメージしていた。それをグアムは「スポーツアイランド」として定着させた。プロスポーツがグアムを認知することで、今後は広く一般にスポーツ合宿=グアムというイメージが浸透していくことが期待される。 修学旅行については、価格的に安く、一番近い英語圏であること、3泊4日と国内旅行感覚で外国に行けることをアピールしていく。
こうしたマーケットの状況を背景に、GVBでは、第9回目となる恒例の「ビッグサマーキャンペーン」7月1日から9月30日まで展開する。キャンペーンタイトルは「GO!GO!グアム」で、内容をシンプルにし、ファミリーを的を絞り、フォトコンテスト、シュノーケリング無料体験、フラワーキャンペーンを実施する。この中でも、シュノーケリング無料体験は、タモンビーチがきれいになり、数多くの種類の魚が戻ってきていることから、プロが教えるシュノーケリングを7月から開始する。 次に、好評だった団体旅行イベントサポートキャンペーンを4月1日から6月30日まで展開する。グアムの法律改正のため、アルコール抜きのイベントをサポートする。
05年のGVBのグアム・イメージ広告は「GUAM POWER!!」。デスティネーションとしてのグアムの力強さをアピールする。05年目標の105万人を達成するには、団体旅行をどれだけ増やすかが重要となる。団体旅行は17〜8%戻ってきており、これを27〜8%に上積みするため、旅行会社の団体旅行支店のセールスを強化、旅行会社向けのセミナー開催やグアム教育旅行のプロモーションを積極的に展開する。ウェディングについても、昨年実施した旅行会社店舗によるグアムフェア、ウェディングショー、セミナー(模擬挙式)、ウェディングスタディツアーを引き続き実施、旅行会社のグアムのイメージも近場のビーチからウェディング、ロングステイを含む本来のビーチリゾートに変わりつつある。GVBはグアムの自然を含むチャモロ文化を紹介し、ネイチャートレッキング、チャモロ料理、そして海がきれいになり、魚が戻ってきたタモンベイをアピールする「タモンベイ・シーライフ・パーク・プロジェクト」などを展開する。 (本特集取材協力および画像提供=グアム政府観光局) |
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