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フランスの香りが漂う街

 マダガスカルの首都にしてマダガスカル最大の都市。地元の人たちは親しみを込めて短く「タナ」と呼ぶ。形が足に似ていることからマダガスカル島には「神の左足」のニックネームがあるが、アンタナナリボはその土踏まずの上方辺りに位置する。マダガスカルの文化、政治、経済の中心地で、空の玄関、イバトゥ国際空港からも12kmと近い。

 地形は擂り鉢状で、底面にあたる地域が中心部。独立大通りをメインストリートに、鉄道の駅、大型ホテル、ショップ、レストラン、ビジネスオフィスといった近代的な建物が軒を連ねる。中心部を囲む丘の斜面には淡いオレンジ色の民家や商店がびっしり並び、日本ではお目にかかれぬ異国情緒あふれる景色が広がる。坂の多い街でもある。

 旧型プジョーのタクシーやバケット風の長い棒パンなどにフランスの名残が感じられ、一方、花市場や青果市場、横町の露店にはマダガスカルらしい雰囲気が漂う。アンタナナリボでは街並みウォッチングも楽しい。もちろん、チンバザザ動物園、マダガスカル動物・民族博物館など、観光ポイントも少なくない。

☆★ホテルは国際的4つ星も★☆


ロワイヤル・パリサンドラ

 地方では簡素な設備の宿泊施設が一般的だが、ここは首都だけあって、エアコン完備、近代設備の整ったモダンなホテルが揃っている。筆頭は地上15階建でマダガスカル最高層のヒルトン・マダガスカル。中心部から10分ほどの静かなアヌシ湖のそばに建つ。
 ホテル・コルベールはヨーロッパ風のエレガントな都市型リゾートで、とくに新館は国際ホテルとして4つ星を獲得。スパや室内温水プールもあり、優雅な滞在が期待できる。
 ル・ロワイヤル・パリサンドラは内装に高級木材のパリサンドラ(日本ではローズウッドなどの名で知られる)を使用したシックなホテル。他にタナ・プラザ、ホテル・ド・フランスなどのカジュアルなプチホテルがある。






 
 
クラウンレミュール

キツネザルに大接近

 マダガスカルの珍しい動植物を集めた動植物園で、アンタナナリボ市の西約22km、車で約30分と近い。4haの見晴らしのよい赤土の土地に、ユーフォルビア(花キリン)、パキポディウム(象の足)、バニラなど多種の植物が植えられ、ブラウンキツネザル、シファカ、クラウンレミュール、グレーイースタンバンブーキツネザルなど8種のキツネザル(レミュール)が放し飼いされている(レミュールについてはベレンティー、ペリネの項を参照)。キツネザル類は間近まで寄ることもできる。ここではランチも取れ、自然に囲まれたオープンエアの席での食事は開放的で気持ちいい。




カメレオン

カラフルなカメレオン大集合

 アンタナナリボから北へ車で2時間弱。6種のカメレオンとヘラオヤモリ、ヘビ、トマトガエル、昆虫など、マダガスカルの固有種や希少種を集めて飼育している。 
 爬虫類の苦手な人は多いが、勇気を出して見てほしい。マダガスカル最大のカメレオンであるパッショネパッショネ、熱帯魚のようにカラフルなパルタリス、緑の鮮やかなラテラリスなどを目にすれば、自然のもたらす配色の美しさ、大胆さに驚くにちがいない。
 ここはペリネ保護区へのルートの途中にあり、カメレオンの苦手な人は、休憩がてら、山の景色と爽やかな空気を楽しみたい。また、上のほうにはレミュールも生息しているので、ベレンティーまで足を伸ばせない場合はここで見る方法もある。




熊に似た顔つきのインドリインドリ


バコナ・フォレスト・ロッジのレストラン


べリネの公園内

野生のインドリインドリに会える!

 政府が率先して自然保護を行なっているマダガスカルには、自然保護区に指定された地域が多数ある。アンダシベ(Andasibe)のペリネ保護区もその一つ。この地域に生息するインドリインドリの減少を危惧して1970年に保護区に指定された。

 アンタナナリボから国道2号線を北上し、3時間前後走るとナンタディア国立公園の看板が現れる。110haの広大な国立公園内にはウォーキングコースが3つあり、ガイドの案内でコースを回ることができる。

 パリサンドラ、サイザルなどの植物やアリの巣の説明を受けつつ森の中を進むと、突然、クークーという声が聞こえてくる。鳴き声を追ってさらに深く分け入って行くと、木の上の方に白毛と黒い顔。インドリインドリだ。



インドリインドリは一夫一婦制

 コアラにも似たインドリインドリは、59種いるキツネザルの中で体がもっとも大きく、大人の体重は10kg前後。行動は朝型で、日の出とともに活動を始め、午後はあまり動き回らない。生活は木の上。草食で1日1kgの葉類を食べる。口にする葉は32種類と、なかなかのグルメだ。

 家族単位で動き回る習性をもち、いつも数匹で一緒にいる。動物には珍しい一夫一婦制で、1家族4,5匹が普通だ。そういえば最初目にした大きなインドリインドリ2匹は、やがて小ぶりのインドリインドリ2匹と合流した。小さい2匹は木の上でじゃれた後、大インドリの背にまとわりついていた。

 現在、森には62家族が生息する。インドリインドリはマダガスカルの固有種で生息地も限られているだけに、ぜひ訪れたい場所だ。



宿泊施設はバンガロー

 ペリネ保護区へはアンタナナリボから日帰りツアーも可能だが、緑が多く空気も爽やかなので、1泊するのもおすすめだ。

 宿泊施設は木造バンガロータイプで、シャワーとトイレ程度の簡素な設備が一般的。バコナ・フォレスト・ロッジはテラス付のリッチなコテージ。敷地内にプライベート・パークがあり、エリマキキツネザル、シファカ、ブラウンキツネザルの餌付けもできる。

 ブッフェ・ド・ラ・ガールは鉄道の駅舎を改造したレトロなレストランと木造バンガローに加え、レンガ造りのスーペリアタイプも用意する。フェオニー・アラは森に囲まれた素朴なバンガローで、野生のカメレオンやレミュールがときどきやって来る。